病理組織検査

  1. トップページ
  2. 病理組織検査

病理組織検査とは?

病気(疾患)の診断や原因(病因)の究明を目的として、手術または検査の目的で採取された臓器、組織を対象に顕微鏡を用いて観察して、どのような病気であるのかを調べます。

病理組織検査の流れ

10~20%のホルマリン固定を行い、切り出し、脱水(脱脂)、脱アルコール、パラフィン浸透、パラフィン包埋、薄切、ヘマトキシリンエオジン(HE)染色を行い認定病理医が診断いたします。(必要に応じ特殊染色を行います。)

病理組織検査一覧

検査項目 検査材料 保存
方法
検査方法 備考 報告
日数
病理組織検査 10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 HE標本による診断 ※固定状態、脱灰処理、特殊染色免疫組織化学染色が必要なものは所要日数が加算されることがあります。 4~14
組織標本作製 10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 HE染色など
標本作製
4~10
未染色標本作製 10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 未染色標本作製 4~5
パラフィンブロック作製 10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 パラフィンブロック
作製
  4~5
組織標本作製
(ブロックから)
パラフィン
ブロック
常温 HE染色など
標本作製
  3~8
未染標本作製
(ブロックから)
パラフィン
ブロック
常温 未染色標本作製   3~5
特殊染色 10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 各種特殊染色 「病理診断まで」又は「標本作製のみ」を依頼書に明記してください。染色の種類については「特殊染色一覧」をご参照ください。 7~12
パラフィン
ブロック
未染色標本
ヘリコバクター ・ ピロリ判定 胃の内視鏡的生検材料 常温 トルイジン青染色
ギムザ染色
免疫組織化学染色
で光顕的判定
判定は胃生検に限ります。EMR ・ 手術材料での判定は実施しておりません。病理検査依頼書に染色名をご記入ください。(こちらの染色は別料金となります) 7~12
免疫組織化学染色 10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 エンビジョン法 「病理診断まで」又は「標本作製のみ」を依頼書に明記してください。染色の種類については「免疫組織化学染色一覧」をご参照ください。 1~10
パラフィン
ブロック
未染色標本
エストロゲンレセプター
(ER)
10~20%
ホルマリン
固定組織
常温 エンビジョン法 ただし、同一月実施の場合には、一方の所定点数のみの算出になります。 10~22
プロゲステロンレセプター
(PgR)
パラフィン
ブロック
常温 エンビジョン法
HER2/neuタンパク 未染色標本 常温 エンビジョン法  
動物組織標本作製 10~20%
ホルマリン
固定動物組織
常温 HE染色など
標本作製
※事前にご相談ください 14~28
動物パラフィンブロック作製 10~20%
ホルマリン
固定動物組織
常温 パラフィンブロック
作製
14~28
動物組織標本作製
(ブロックから)
パラフィン
ブロック
常温 HE染色など
標本作製
14~28
写真 ・ ポジスライド撮影         14~21

※特記事項

  • 検査依頼書に記入漏れ等がありますと検査保留となる場合がございます。
  • 委託先または医師から要請された場合、電話またはFAXでご連絡いたします。

特殊染色一覧

目的 染色法 染色結果
結合組織 アザン染色 膠原線維、細網線維、腎糸球体基底膜 ─ 青色
筋組織、線維素 ─ 赤色
マッソン ・ トリクローム染色 膠原線維、細網線維、腎糸球体基底膜 ─ 青色
細胞質 ─ 淡赤色~紫赤色
赤血球 ─ 橙黄色~橙赤色
線維素、免疫タンパク ─ 赤色~赤橙色
粘液 ─ 青
細胞分泌顆粒 ─ 好塩基性 ─ 青色
好酸性 ─ 赤色
核 ─ 黒褐色
エラスチカ ・ ワンギーソン染色 弾性線維 ─ 黒紫色
膠原線維 ─ 赤色
筋線維、細胞質 ─ 黄色
核 ─ 黒褐色
鍍銀染色 細網線維 ─ 黒色
膠原線維 ─ 赤紫色
核 ─ 黒色~えんじ色
細胞質 ─ 淡紫色
赤血球 ─ えんじ色~紫色
ビクトリア青染色 弾性線維、HBs抗原 ─ 青色
核 ─ 赤色
PAM染色 基底膜、細網線維 ─ 黒色
核 ─ 青藍色
線維素 ・ 神経膠線維 PTAH染色 神経膠線維、横紋筋内横紋、線維素、平滑筋線維
核 ─ 青藍色
結合線維、神経細胞 ─ 茶褐色
脂肪 ズダンⅢ染色 脂肪(中性脂肪) ─ 橙黄色~橙赤色
核 ─ 青藍色
オイル赤O染色 脂肪 ─ 赤色
核 ─ 青藍色
多糖類 PAS染色 グリコーゲン、粘液、真菌、アメーバ ─ 赤色~赤紫色
核 ─ 青藍色
消化PAS染色 α-アミラーゼにより、グリコーゲンは消化される
アルシアン青染色 酸性粘液多糖類 ─ 青色
核 ─ 赤色
アルシアン青 ・ PAS重染色 酸性粘液多糖類 ─ 青色
中性粘液多糖類 ─ 赤色~赤紫色
核 ─ 青藍色
トルイジン青染色 酸性ムコ多糖類を含む粘液、肥満細胞の顆粒 ─ 赤~赤紫色
核、その他の組織 ─ 青色
コロイド鉄染色 酸性粘液多糖類 ─ 青色
核 ─ 赤
ムチカルミン染色 粘液、真菌 ─ 赤
核 ─ 青藍色
アミロイド コンゴー赤染色 アミロイド ─ 赤橙色(偏光にて緑色蛍光)
核 ─ 青藍色
ダイロン染色 アミロイド ─ 橙色~赤橙色(偏光にて緑色蛍光)
核 ─ 青藍色
内分泌細胞 グリメリウス染色 膵島A細胞、消化管好銀細胞、甲状腺傍濾胞細胞
カルチノイド、内分泌腫瘍細胞 ─ 茶色~黒褐色、核 ─ 赤色
メラニン色素 フォンタナ ・ マッソン染色 メラニン、消化管銀還元細胞 ─ 茶色~黒褐色、核 ─ 赤色
カルシウム コッサ染色 カルシウム塩 ─ 黒褐色
核 ─ 赤色、その他 ─ 赤色~淡赤色
ヘモジデリン ベルリン青染色 ヘモジデリン ─ 青色
核 ─ 赤色
中枢神経組織 ボディアン染色 神経原線維、軸索、樹状突起、神経終末 ─ 黒色~黒褐色
クリューバー ・ バレラ染色 髄鞘 ─ 鮮青色
ニッスル顆粒、核 ─ 赤紫色
組織内血液細胞 ギムザ染色 核 ─ 青紫色
核小体 ─ 紫色
好酸球顆粒 ─ 桃赤色
生体内病原体 グラム染色 グラム陽性菌 ─ 濃青色
グラム陰性菌 ─ 赤色
チール ・ ネルゼン染色 抗酸菌 ─ 赤色
背景 ─ 淡青色
グロコット染色 真菌 ─ 黒褐色
背景 ─ 緑色
ワルチンスターリー染色 スピロヘータ、ヘリコバクター ・ ピロリ ─ 黒褐色
トルイジン青染色 ヘリコバクタ─ ・ ピロリ ─ 青色
ギムザ染色 ヘリコバクタ─ ・ ピロリ ─ 紫色

免疫組織化学染色一覧

区分 抗体名 病理診断における意義
腫瘍マーカー CEA 大腸癌、肺癌、乳癌、肝癌、膵癌をはじめほとんどの腺癌組織で陽性
CA125 卵巣漿液性のう胞腺癌、腺癌(一部)
CA19 - 9 消化管腫瘍(腺癌)、甲状腺髄様癌
c - kit(CD 117) GIST
Carletinin 中皮腫、大腸癌(低分化腺癌)
上皮系 EMA 上皮性腫瘍、骨髄腫、ki - 1リンパ腫
keratin(wide) 上皮性腫瘍、中皮腫
CAM 5.2 低分子サイトケラチン(腺系上皮、神経内分泌上皮)
CKAE 1/AE 3 汎サイトケラチン抗体(高分子には反応しない)胆道系上皮陽性、肝細胞陰性
CK 5/6 低分化型扁平上皮癌、上皮型中皮腫
CK 7 重層扁平上皮、肝細胞、大腸上皮、一部前立腺上皮で陰性となるが、その他上皮細胞と血管内皮が陽性となる
CK 20 大腸、胆管上皮、尿路上皮被蓋細胞、メルケル細胞
CK 903(34BE12) 扁平上皮癌、前立腺基底細胞
筋系 α- SMA 平滑筋腫瘍、筋上皮を含む腫瘍
Desmin 横紋筋肉腫、平滑筋肉腫
Myoglobin 横紋筋肉腫、横紋筋への分化を示す腫瘍
HHF 35 横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、グロームス腫瘍、MFH
間葉系 Vimentin 間葉系腫瘍(筋腫、神経膠腫含む)、中皮腫
神経系 GFAP 神経膠腫、上衣腫、網膜芽細胞腫
NSE 神経内分泌腫瘍、髄膜腫、Ewing肉腫
S - 100 神経膠腫、神経鞘腫、黒色腫、褐色細胞腫など
chromogranin A 褐色細胞腫、神経内分泌腫瘍
Synaptophysin 神経内分泌腫瘍(産生ホルモンの種類によっては陰性)
Neurofilament 神経芽腫、褐色細胞腫、肺小細胞癌、カルチノイド
組織球系 CD 68(kp - 1) 組織球系腫瘍(MFHは陰性)、顆粒細胞腫
α1- AT 組織球等の免疫細胞など
α1- ACT 組織球等の免疫細胞など
血管 ・ リンパ管系 CD 31 血管内皮
CD 34 血管腫、GIST、皮膚線維肉腫
FactorⅧ 血管腫、血管肉腫、kaposi肉腫
D 2 - 40 リンパ管内皮
白血球系 LCA リンパ球全般、悪性リンパ腫
CD 3 T細胞、NK細胞、T細胞性腫瘍
CD 4 ヘルパーT細胞、マクロファージ、末梢性T細胞リンパ腫
CD 5 T細胞
CD 8 キラーT細胞、末梢性T細胞リンパ腫
CD 10 胚中心B細胞、腸管上皮、Burkitt、濾胞性リンパ腫
CD 15(Leu M 1) 顆粒球、CMV感染細胞、ホジキン病、ki - 1リンパ腫、腺癌
CD 20(L- 26) B 細胞、B 細胞性リンパ腫
CD 21 リンパ濾胞の慮胞樹状細胞
CD 30(ki - 1) 活性化リンパ球、大食細胞、ホジキン病、ki - 1リンパ腫
CD 43(DFT - 1) T細胞、T細胞性リンパ腫
CD 45RO(UCHL- 1) T細胞、T細胞性リンパ腫
CD 57(Leu 7) ナチュラルキラー細胞、肺小細胞癌、褐色細胞腫
CD 79α B 細胞、形質細胞、B 細胞性リンパ腫、多発性骨髄腫
Cyclin D1(bcl - 1) マントル細胞リンパ腫
Granzyme - B 節外性NK/T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、未梢性T細胞リンパ腫
TIA - 1 節外性NK/T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫など
区分 抗体名 病理診断における意義
内分泌系 HGM - 45M1 ムチン
MUC - 2 小腸、大腸の杯細胞
MUC - 5AC 胃腺窩上皮細胞
MUC - 6 胃幽門腺、噴門腺、Brunnor腺
CDX2 十二指腸から直腸までの粘膜上皮の核に発現
HIK1083(M - GGMC - 1) 副細胞、幽門腺細胞
Insulin 膵ラ氏島腫瘍の分類、糖尿病の診断
Glucagon
Somatostatin
甲状腺 Calcitonin 甲状腺髄様癌、神経内分泌細胞(C細胞など)、気管支カルチノイド
Thyroglobulin 状腺濾胞上皮、コロイド、甲状腺乳頭癌
前立腺 PSA 前立腺癌
PSAP 前立腺癌
P504S(AMACR) 前立腺癌、高度PIN
P63 基底細胞
婦人科 ・
乳癌
ER 乳癌、子宮体癌
PgR
hCG 絨毛癌、肺大細胞癌、低分化尿路上皮癌
E - cadherin 乳管癌と小葉癌の鑑別
HER 2/neu 浸潤性乳癌、乳癌転移部位
黒色腫 HMB - 45 悪性黒色腫
Melan A 悪性黒色腫
AFP 肝細胞癌、ヨーク ・ サック腫瘍
Hepatocyte(HepPer1) 肝細胞癌
免疫グロブリン IgG 形質細胞腫、I g A腎症、膜性腎症
Bリンパ球および形質細胞の同定
IgA
IgM
κ鎖
λ鎖
補体 C3c 補体の検出
C4c
C1q
増殖細胞 ・ 細胞周期 ki - 67(MIB - 1) 増殖性細胞 ・ 腫瘍(悪性度に依存)
PCNA 増殖性細胞 ・ 腫瘍(悪性度に依存)
アポトーシス bcl - 2 濾胞性リンパ腫、悪性度の高いB/T細胞性リンパ腫、ki - 1リンパ腫
p53 腸上皮化生(一部)、悪性腫瘍の多く、異形成(モザイク状)
病原体 H ・pylori ヘリコバクター ・ ピロリ菌の有無
HPV ヒトパピローマウイルス、乳頭腫
その他 WT - 1 wilms腫瘍
TTF - 1 肺小細胞癌、甲状腺乳頭癌
SP - A 肺腺癌
MPO granulocytic sarcoma
CD56(NCAM) 神経細胞、褐色細胞腫、神経内分泌腫瘍
Amyloid A AA型アミロイドーシス
EGFR 進行、再発の結腸癌・直腸癌
P component アミロイドの鑑別

病理組織検査Q&A

Q1. 検体採取時に注意することはありますか?
A1. 組織片は、乾操、腐敗などしないよう新鮮な状態で速やかに固定液に入れて提出してください。
Q2. 検体の採取容器はどのようなものを使用すればよいですか?
A2. 採取容器は、固定液不足や変形のないよう組織片の大きさに合わせて選択し、なるべく広口のものをお使いください。要望があれば採取容器は当社でご用意いたします。
Q3. 固定液とは何ですか?
A3. 固定液とはホルマリン原液を5~10倍に希釈したもののこと(10~20%ホルマリン水溶液)をいいます。
Q4. 固定液の使用方法及び固定にかかる時間を教えてください。
A4. 固定液は組織片が充分に浸かる量(組織片の50~100倍程度)を使用してください。固定時間は、組織片の大きさや性質によって異なります。常温で、小さな生検材料なら1日、大きな手術材料では2日~5日程度かかります。
Q5. 検体提出時に注意することはありますか?
A5. 検体提出時には以下のことに注意してください。
 ・ 検体と検査依頼書は同時に提出してください。
 ・ 検査依頼書には患者名、年齢、臨床診断、臨床経過および手術、所見等を必ず正確に明記してください。
 ・ 検査依頼書の検査材料や検査項目の欄には、該当する項目に必ず点等の印をつけてください。
 ・ 容器に貼ってあるラベルに氏名および病院名を正確に記入してください。
 ・ ホルマリンが漏れないよう容器の蓋はしっかり閉めてください。
Q6. どのような特殊染色、免疫組織化学染色を行っていますか?
A6. 当社では目的に応じた特殊染色、免疫組織化学染色を行えるように取り揃えております。
詳しくはこちらをご参照ください。   →特殊染色一覧   →免疫組織化学染色一覧
Q7. 病理組織検査の対象とならないものはありますか?
A7. 当社では以下のものは受託できません。
 ・ 乾燥してしまった組織
 ・ 胆嚢、腎や尿管の結石
 ・ アニサキス等の虫体
 ・ 胎児
 ・ 死亡後に採取した組織及び解剖材料の診断
Q8. 精度管理はされていますか?
A8. 内部精度管理としては、毎日コントロール標本にて染色性をチェックしております。また、外部精度管理としては、日本臨床衛生検査技師会主催のコントロールサーベイと東京都衛生検査所精度管理調査に参加しております。